みつわ飯店


「心が休まるお店に...」

店主の細谷昌司さん

■入りやすい、来やすいお店!

 昭和13年創業。ご主人で、3代目となる。現在のご主人である細谷昌司さんは、20代のときに8年ほど東京の赤坂で修業をしていた。そのときに学んだ東京の味を料理に取り入れながらも、土地にあった味にすることにこだわっている。また、代々受け継がれてきたお店の味を守るだけでなく、さらに新しいものを加えることもしているそうだ。
 平日、土日はたくさんのお客さんで賑わうが、特にも土日は休む暇もないほど忙しいそうだ。地元の方にたくさん利用してもらっているが、気仙沼、大船渡、盛岡など、県内だけでなく県外からも来られる方がいる。
 お店のメニューは豊富であり、手頃な価格であった。ご主人がおすすめするメニューは、角煮ラーメン、ルースー麺、あんかけ焼きそばで、これらはテレビでよく紹介されるそうだ。角煮ラーメンやルースー麺はとても珍しいメニューだと感じた。
 店主である細谷さんは、「お店がお客さんにとって入りやすい、来やすいお店になればいい。お客さんの心が休まる場所にしたい。」と語った。
あんかけ焼きそば
チャーシュー麺

■あの日、あの時・・・

 震災前、お店は現在のアバッセたかたのあたりにあり、現在の店舗より倍ほど広くて、宴会場もあった。
  2011年3月11日の東日本大震災。大きな地震と、大規模な津波が町を襲った。地震の後、お店はめちゃくちゃになり、足の踏み場がないほどだった。ご主人は「この世の終わり」だと感じたそうだ。普通だったら逃げないが、みんな避難していてこれはただ事ではないと思い、まずは二階に上った。けれども、防災無線から鬼気迫った状況を察知し、高いところへ逃げていったそうだ。ご主人は「2,3分遅ければ生きてなかったかもしれない」と語った。私は、震災は本当に恐ろしく、あの時のちょっとした行動が人々の人生を左右することになったんだと思い、人生はどうなるか本当に分からないものだと感じた。

●震災から約7年半の道のりとご主人の思い

仮設店舗時代のお店の様子

 震災翌年の2012年(平成24年)3月14日に仮設店舗を設け、そこから6年ほど営業していた。2018年(平成30年)3月29日にここの中心市街地に移転してきた。
 震災によってすべて町がだめになり、みんな家やお店を失い、家族や友人などを亡くしたのは一緒だから、みんなの辛い気持ちはよく分かった。そんな中で、ラーメンを食べたいという町の人の声に後押しされ、お店を再開した。しかし、最初はお客さんが来てくれるのか、わざわざ足を運んでくれるのか不安だったそうだ。

■中心市街地でオープンしてから・・・

チャーハンを調理している様子

 本設でオープンすることが目標だったので、それを実現できたことは良かった。しかし、人手が足りなく、飲食店はどこもそうだが働いてくれる人がいないことに困っているそうだ。ご主人である細谷さんは「もとの商店街以上に盛り上がる町になってほしい。」と熱く語ってくれた。

■記事を見てくれた方へ

ぜひ陸前高田の町に足を運んでほしい。もうすぐ三陸沿岸に高速道路が完成するが、この陸前高田の町が人々の通過点になってしまうのではなく、人々に立ち寄ってもらえるような魅力のある町になっていけばいい。

【インタビュー先】
みつわ飯店 細谷昌司さん
電話番号:0192-55-3033
営業時間:11:00~20:00
定休日:木曜日

のれんが印象的な店外

<インタビューをして…>
岩手県立大学 1年 S.A.
 震災後、陸前高田市を訪れるのは2回目。陸前高田市の人々の前向きな姿にとても感動した。今回取材したみつわ飯店。とても落ち着く雰囲気のお店で、お店の中はとても賑わっていた。ご主人の「もとの商店街より盛り上がる町にしたい」と力強い言葉に、陸前高田の人たちの強さを感じた。
 
インタビュー日時:2018年9月18日

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