エビだしラーメン こんの屋
やりたいことを自分の思うように
チャレンジショップ1号店 海老だしラーメンこんの屋
「エビだしラーメンこんの屋は」、陸前高田市が起業支援のために設けたチャレンジショップの1号店だ。
ここで店を営む紺野学さんに出店の経緯を聞いたところ、市役所で働く後輩から「店を開かないか」と連絡が来て、「やってみるか」と思い始めたのだという。
この店を始める前、紺野さんは、陸前高田市小友町でB-ROOMというショットバーを経営していた。エビだしラーメンはその店で評判が良く、この機会に販売してみようと決意したのだそうだ。
店長オススメ 海老だしラーメン
岩手県内でなかなか目にすることがないエビだしラーメンは、みそ味、塩味の2種類。その他に、とんこつラーメンも提供している。
紺野さんによると、テレビでエビだしラーメンを偶然見かけ、自分でも作れるのではないかとBARで売り出したのが始まりだそうだ。実際、BARでも人気は高かったと言う。
こんの屋を訪れるお客さんには、BARで働いていた時の常連さんが多い。でも、それ以外にも客層は広がり、男女問わず多くの人が訪れるようになってきた。(常連客はエビだしラーメンよりとんこつラーメンを食べる人が多いという)
震災から今まで
震災当時、紺野さんはBARで働いていた。
普段通り働いている最中、それは突然訪れた。逃げるかどうか迷っていた時、お客さんから「逃げた方がいい!」と連絡が届き、津波から逃れることができた。その後は、避難所にいるみんなで、食料をかき集めながら一日一日を過ごした。何が一番大変だったかを聞いたところ、電気がつかないことだった、との答え。
それから8年が経過し、復興も徐々に進んでいる。町の風景がどんどん変わっていく中、「陸前高田はまだまだだ」、と紺野さんは言った。人口が震災前より減っていることを心配しており、特に若者の地元離れが加速する中で、何とか若者が戻って来ないかと考えている。
また、遊び場になる施設がないことも挙げていた。実際、中心市街地に、大型商業施設が建っているが、若者の遊び場となる施設はないのが現状だ。こうした施設があれば、若者も陸前高田に留まり、外からも入ってくるようになるのでは、とおっしゃっていた。
そしてこれから
もし、チャレンジショップでの出店話がなかったら、紺野さんは、店を開こうとは考えなかったそうだ。それでも、「やるからには自分のやりたいようにやってみよう」、と決心した。
出店に当たっては、近くの居酒屋さんから物資の支援もいただいた。そして、経営をしていく中で、常連客を通して新たな人と関わることができ、とても嬉しいと言う。
最後に、将来の陸前高田についてを聞いたところ、「頑張ろう」の一言をおっしゃった。何事にも自分のしたいことを自由にやることが大事だと強調していた。
↑エビだしラーメン塩
訪れてみて
実際にエビだしラーメンを食べてみた。香りや味がとても濃厚だ。この味は、県内ではなかなか楽しむことができないものだ。店主もとても気さくな人で、初めての人も気軽に訪れることができる場所なので、ぜひ足を運んでいただきたい。
インタビュー先
▷店名:海老だしラーメンこんの屋▷定休日:店長が疲れたら
▷営業時間:11時~14時 19時~24時
▷電話番号:080-1804-0618
▷取材相手の氏名:紺野 学 様
▷インタビュー実施日:2019年9月10日
インタビュアーの自己紹介
岩手県立大学 総合政策学部 1年 石川 祐輔私は、陸前高田に訪れたことが無かった。しかし、今回このような機会で訪れ、実際に市街地の様子を目にすることで、復興の状況を直接感じることができた。また、そこに住む人から話を聞くことで、より詳しく陸前高田についてを知ることができた。
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