三陸おもてなしレンタカー

世の中、人の役に立って、それが仕事になる

熱い思いを語る浅間さん


三陸おもてなしレンタカーとは

・全車EVのレンタカー店

 三陸おもてなしレンタカーは、2020年1月に陸前高田市にできたばかりのレンタカー店だ。その特徴は、全車が電気自動車(EV)であるということ。これからの社会にマッチした、日本全国でも唯一のお店だ。

自慢のカーポート。屋根のソーラーパネルで発電し、自動車を充電出来る


・電気自動車から始まる観光案内

 環境に優しいEVだが、まだまだ一般に浸透してはいない。充電スポットなどの問題は、お客さんにとっても気になるところだ。

 そんな時は、お店のスタッフに聞いてみよう。充電スポットの場所はもちろん、その周辺のおすすめスポットも聞くことができる。EVから始まる自然な観光案内も、このお店の特徴の一つだ。

事務所内観


・レンタカーだからこそ

 2020年の4月末までは、三陸ジンジャーとのコラボプランを展開していた同店。「三陸ジンジャー」とは、三陸は陸前高田で生産されている生姜。その農園を見学し、生産者さんのお話を聞いたり、三陸ジンジャーを実食したりすることもできる、ひと味違ったプランだ。

 盛岡や宮古も巡る周遊プランも構想しているらしい。公共交通機関ではカバーしきれない、ある意味で変則的なプランは、レンタカーならではだ。

貸し出し車両の一つ、日産リーフ

 レンタカーだからこそといえば、他のレンタカー店にはない、ちょっと変わった業務もある。例えば、平日に行っている、乗り合いバスの車両の提供だ。

 リースや購入と違い、レンタカーは短期的で、一度にかかる費用も少ない。また、平日は乗り合いバスとして車両を稼働させ、休日は観光客向けに車両を待機させる、といった小回りの効いた運用も出来る。状況に応じた柔軟な運用は、レンタカーの大きな強みだ。


・COVID-19を受けて

 1月にオープンしたばかりの同店だが、やはりCOVID-19の影響は大きかったという。例えば、駅のすぐ近くにある小さな事務所は仮のもので、本来なら年末までには建て替える予定だったらしい。

事務所外観(筆者はこれはこれでかわいいと思う)

 一方で、COVID-19の影響を受けたからこそ始まった事業もある。それが、単身高齢者への見守りお弁当宅配事業だ。

 COVID-19によって、需要が減少した飲食店を支えつつ、単身高齢者の支援にもなり、暇になった車両を動かすこともできる、一石三鳥な事業といえる。

 コロナによって、観光客に限らず、住民にも車の需要はあるということに気づけたと、浅間さんは語ってくれた。


三陸おもてなしレンタカー代表・浅間さんの今

・三陸花火大会

 2020年10月31日、三陸花火大会というイベントが陸前高田で開催される。これもCOVID-19を機に動き出したイベントで、浅間さんが実行委員長を勤め、若い人が中心になり、準備を進めている。

 このイベントでは、COVID-19によって行き場を失った花火が、約10,000発も打ち上げられる。オンライン配信のチケットも販売されているので、現地に行けなくても楽しむことができる。

三陸花火大会キービジュアル

 記事の公開時点では、三陸花火大会はすでに終わってしまっている。第二回以降の開催に注目だ。

 浅間さんは、「今はとにかくこれが忙しくて」と苦笑しながらも、充実した表情をしているように見えた。


・浅間さんの思い

 苦境にある時の若い人の力は大きい。前述の三陸花火大会もその一つだ。苦しい時こそ若い人が率先して立ち上がり、年長者はそれをサポートすることで、事態が好転することもある。浅間さんはそう語った。

 また、浅間さんは、陸前高田を、東京にもないほどハードの整った、チャンスの転がっている街だと表現した。確かに、つくられたばかりの建物や道路はピカピカで、心持ち次第でなんでもできそうな気さえしてくる。


・東北株式会社

 震災のボランティアを機に陸前高田の魅力と課題に気づいた浅間さんは、東北株式会社という、岩手・宮城・福島を中心とした地域を盛り上げていくことを目標とした会社を立ち上げた。

 東北株式会社の業務は多岐にわたり、レンタカーのような観光業が中心ではあるが、前述のお弁当宅配のような地域の暮らしに根ざした業務も手がけている。何業の会社なのか聞かれることもあるほどだ、と浅間さんは笑った。

「世の中、人の役に立って、それが仕事になるんだな」これは、浅間さんが震災のボランティアで感じたことの一つだという。東北株式会社は、地域の役に立つことを第一に、柔軟に活動している。


インタビュー先

店名: 三陸おもてなしレンタカー

所在地:岩手県陸前高田市高田町字館の沖111(KC16-6)

営業時間:10:00〜17:00

電話番号:0120-26-7218

MAIL: info@tohoku.life

URL:https://tohoku.life/

取材相手の氏名: 浅間 勝洋 さん

インタビュー実施日:2020年9月24日(木)


編集後記

岩手大学 2年 高橋一真

 浅間さんは、陸前高田という街を心から愛し、同時に課題にも真摯に向き合っている人物であるように思えた。

 浅間さんに限らず、陸前高田には、今まさにこの街で面白いことをしようとしている人がたくさんいる。この記事を読んだみなさんも、是非そんな陸前高田を旅してみてはいかがだろうか。もちろん、移動手段は三陸おもてなしレンタカーがオススメだ。筆者は免許をとるところから始めようと思う。

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