中華食堂熊谷

恥ずかしながら担々麺 中華食堂熊谷。店名の下の年号は創業年。「担」の字が・・・? ■ 担々麺との出会い 暖簾にかかる「担」の文字。この文字から連想される通り、中華食堂熊谷の「こだわりの一品は担々麺」、と控えめに語る熊谷さん。 熊谷さんが担々麺に出会ったのは、東京へ修行に行った時の事。陸前高田にいた頃は担々麺を知らなかった熊谷さん。カルチャーショックを受けたと言う。陸前高田に帰ったら担々麺をぜひ紹介したいと思った。 11 年間東京にいたが、その思いがあせることはなかった。でも、帰ってきた頃の陸前高田ではまだ「担々麺」が浸透していなかったので、担々麺はメニューの一番下の端に書き入れるひっそりしたスタートだった。ところが、岩手日報の紙面に取り上げられると、口コミで広がった。今ではメニューの一番上に収まる担々麺(白)、そして担々麺(黒)だ。熊谷さんは、「いつか担々麺を目立たせたいと思っていた」、と満足げに語る。 調理中の熊谷成樹さん 担々麺(白) 720 円 担々麺(黒) 720 円 ■ ひっくり返った暖簾の意味とは … もしかしたら暖簾の写真を見て違和感を覚えた人もいるかもしれない。そう … 「担」の字が裏返っているのでは?と。熊谷さんによると、暖簾の表側は日に焼けて色が薄くなってしまったが、裏の色が無事だったことから新しい暖簾をつくるまで、裏返して使い続けるのだそうだ。でも、これはこれで逆さ看板だと前向きにとらえることにしているという。 最近は「杏仁豆腐」の「杏」なら裏返しても気にならないということで、もう一枚暖簾を作ることも視野に入れているとか。担々麺と並び、手づくり杏仁豆腐も中華食堂熊谷のおすすめメニューの一つ。担々麺の辛さは杏仁豆腐の甘さを際立たせる。ぜひとも、この辛さと甘さの絶妙のコントラストを楽しんでもらいたい。 手作り杏仁豆腐 250 円 ■ 震災当時について 中華食堂熊谷は、創業時の 1940 年から陸前高田駅前に店舗を構えていた。震災当時も営業していたが、お昼時を過ぎていたためお客さんはいなかった。熊谷さんは従業員と「ご飯どうしようか」...