スタジオヒロシ

写真で喜んでもらいたい 今年7月にできたばかりの新店舗 写真に関するすべてのことを スタジオヒロシ(店主:佐々木宏さん)は陸前高田の数少ない写真スタジオの一つである。写真に関することはできる限りお客様の要望に応えたいというのがこの写真スタジオの方針だ。例えば、お宮参りや七五三、入学、卒業などの記念写真のほかにも、デジカメ・スマートフォンで撮影した写真の現像や昔の写真の焼き増し、スマートフォンで撮影した動画をDVDへの編集、VHSからDVDへのダビングもおこなう。また、津波で汚れてしまった写真を綺麗にしてほしいという依頼も受けている。このような多岐にわたる要望に応えることができるのがこの店の自慢だ。 お客様は陸前高田の住民の方々。中には結婚式から毎年、その年の暮れに来店し、家族写真でカレンダーや年賀状を作成する方もいるという。最近、近くの公園で遊ぶ子供たちの姿をカメラに収め、それを差し上げることもあったらしい。元気に遊ぶ子供たちの写真は、以前に戻りつつある、戻ってほしい陸前高田の姿を「とどめたい」というお気持ちの表れとしてお話を伺った。その意味において地域の方々の心に寄り添った写真スタジオだと感じた。 お客様が入りやすいように工夫したディスプレイ ぬいぐるみやハロウィンの飾り、再流行した「写ルンです」が飾られている 撮影スタジオ 背景は五種類から選べる 撮影セット ソファーや窓際も利用できる 震災当時の状況 佐々木さんは、震災前は高田町駅通りで写真店を営んでいた。しかし、東日本大震災の津波により、店は流されてしまった。地震発生時、佐々木さんは店におり、揺れで現像液が混合されないように対策をとったがどうしようもなく...、その後避難をし、寸前のところで助かった。その後、佐々木さんは仮設住宅に住むことになり、最近まで住んでいた。また、店舗がない時も写真店としての仕事をこなしていた。その際は周囲の人が設備などを様々な面で支援してくださったそうだ。そういった中、2011年12月には仮設店舗で店を再開することができた。 津波の潮で錆びてしまったカメラ 中心市街地に再建 今のスタジオは2020年7月末に完成したばかりである。周りのほかの店に比べて少し遅い復興だ。撮影の設備は市の方や釜石市のお知り合いからいただいたり、その他にも新しく購入した。土地は市に借りている。出店す...