四海楼

陸前高田=餃子を目指して


“四海楼”現店主 長田正広(おさだまさひろ)さん

幅広く愛される四海楼って何者??? 


 多くのお店が賑わう中心街から少し離れたところに、そのお店は堂々と看板を掲げている。“四海楼”は現店主の長田正広さんが二代目を務める中華料理店だ。
  黒を基調とした落ち着いた外観に、赤の龍や提灯が色を添え、中華の概念にとらわれない自由な発想でお店を営んでいることが伺える。また、大理石を用いた柱や植物が置かれた店内は、その印象を一層強く濃くする。
  一見近づき難くも見えてしまうかもしれないが、お店は地元の常連、遠方から訪れる方々、観光に訪れた外国人など、幅広い客層で連日繁盛している。料理、接客の両面において十分な信頼を得ていることが、このお店最大の強みと感じられる。

四海楼の外観


四海楼の内装



親子二代で作り上げた自慢のMENU!??


 “四海楼”は四川料理と広東料理を融合した甘くて辛い味付けが自慢。四川と広東の融合は、料理の味を日本人向けにすることを狙ったもので、オリジナルでありながら、食べやすくてしかも癖のある味付けだ。
四海楼MENU

 “四海楼”の一番人気は、震災前から続く餃子。この店の餃子は、熟成させることで甘みを増しているのが特徴だ。絶大な人気で即完売となったため、「幻の熟成餃子」と呼ばれていた。今後は、道の駅やネットなどでにも販売の場を広げたい、とのことだ。
「幻の熟成餃子」(6個) 500円

「幻の熟成餃子」が作られている餃子工房

 麺類では、にんにくの効いた濃厚な甘辛味噌とオイスターソースで煮込み、ふわふわ卵であえた醤爆麺(ジャンバオメン)の人気が高い。この商品は、現店主の長田さんが友人へのまかないとして考案したが、大人気だったためそのまま提供することにしたのだそうだ。
「醤爆麺(ジャンバオメン)」 800円

「麻婆ラージャー麺」 800円

「五目ラーメン」 750円

「麻婆焼そば」 800円
※この価格はすべて税別表記

あの日あの時、長田さんは松林に…?


 地震にあったのは、大学生の息子と高田松原の松林を歩いていた時だった。液状化現象がひどく、堤防の周りは凄まじい状態だったという。危険を押して店に戻ると、店内も悲惨なことになっていた。
  だが、旧四海楼は海の近く。津波への危機感が脳裏をよぎり、避難所になっていた「ふれあいセンター」ではなく、高台にある高田一中に家族を連れて逃げた。しかし、その中に娘さんの姿はなかった。高田高校に避難したとの連絡を受けていたのだ。
  高田一中に到着後、砂煙が高く舞うのが見えた。その時、街がすべて流されたことを悟った。同時に、娘さんの安否が心配になった。余震と更なる津波への恐怖は、一晩中、長田さんの心を不安にさせた。翌日、息子の友人からの情報で、ようやく娘さんと再会できたと言う。
 その後、小学校の体育館、長洞仮設住宅での避難生活を経て、今は、大船渡市の災害公営住宅に住み、毎日ここに通っている。

I’ll be Back!


 震災を乗り越えた長田さんだが、次に直面した試練は店の再建だった。盛岡や仙台での再開という話もあったが、商工会や市役所から「かさ上げ後のまちに特徴のあるお店が欲しい」と言われ、悩んだ末、現在の場所に再建する決心をした。他の店舗から少し離れたところに店を構えることで、逆方向からのお客さんにも来てもらえるのでは、と期待している。

我らが陸前高田ばんざい!!!

四海楼の店内出入り口

 無事4月3日にオープンしたが、その生活は忙しかったという。
  インテリアは、次期店主の息子さんと一緒に考えを固めていった。また、「震災以前からの地元住民の方々との繋がりに助けてもらった部分も大きく、そのおかげで今のお店がある」と店主は断言していた。震災前も後も変わらない繋がりの深さは、長田さんの人柄に通じるものがきっとあると感じた。







Welcome Back 四海楼!


 当初の予定日よりオープンが遅れたため、お客さんを待たせてしまった。しかし、開店日には、店内に入りきれないほどの花が各地から贈られてきた。四海楼のオープンは、多くの方から歓迎の嵐で迎えられたのだ。

過去→今→未来→→→


 「他県から人を呼び込むことでまちの活性化につなげたい。同時に、店の認知度も上げ、高田を訪れたら四海楼に寄ろう!と思ってもらいたい。」と語る長田さん。そのために長田さんは取材は断らないようにしている。
  また、長田さんは「いつまでも被災地、被災者というのは嫌だなと思っている。自分でやっていきたい。」とも話した。
  その前向きな姿勢がアメリカの有名新聞「ニューヨーク・タイムズ」の目に止まり、長田さんは数日間にわたり取材を受けた。どんな取材依頼も断らない四海楼の復興への前向きな姿勢がここでも見受けられた。後日談だが、その新聞を現地で見た老人が新聞の切り抜きと手作りのクッキーを手に四海楼を訪れてくれたそうだ。
  そう、クッキーの写真を片手に語る長田さんの顔は笑みに満ちていた。四海楼は人を惹きつけるものをもっている。。
仮説店舗時の四海楼

今見ているあなたへ


 「被災したこと、震災があったことは忘れて欲しくない。時が経てば記憶が薄れ警戒心も弱まってしまう。来るわけないという思いがあるだろうが、いざという時に備えていて欲しい。」

 自らで道を切り開いて進むスタイルの長田さんが作る料理は迷いがなく、その辛さからか情熱すら感じられる。人生、山や谷は当たり前の現在、道に迷ってしまったら立ち止まり、休憩がてらに四海楼さんに足を運んではどうだろうか。その辛さがあなたの背中を押してくれるかもしれない。
  四海楼は月曜日以外はお店を開けて待っている。

インタビュー先

*店名:四海楼 *定休日:月曜日
*営業時間:昼11:00~14:30
      夜17:30~21:00
*電話番号:0192-55-6525
*取材相手の氏名:長田 正広 さん
*インタビュー実施日:2019年9月10日

インタビュアーの自己紹介

岩手県立大学1年小〇つ〇な
 今回、岩手創造学習を履修し、陸前高田コースに進んだことで、普段の生活では絶対に味わうことの出来ない緊張感や、満足感、また、現地でしか聞くことのできない刺激的なお話をたくさん聞くことができました。それぞれのお店、それぞれの人で、考え方、感じ方、これまでの経験はまったく違いますが、陸前高田市の復興に掛ける思いはみんな同じ方向を向いていることが、本当に素敵だと思いました。この濃い経験はこれからの物事の考え方にも良い影響が出ると思います。この授業を履修した私の判断に間違いはありませんでした。ありがとうございました。
 醤爆麺今までに食べたことないタイプでとても美味しかったです!!!
 未熟な私の取材にお付きあいいただき本当にありがとうございました!!!
 おすすめの中華料理店No.1ですので皆さん足を運んでみてはいかがでしょうか!!!

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