荒木鮮魚店

来てみないとわからないこの魅力

荒木鮮魚店さんのロゴマーク


陸前高田市中心街唯一の鮮魚店

 震災以降復興が続いている陸前高田市。その中心ともいえる商業施設アバッセたかたから東にほど近い距離に「荒木鮮魚店」がある。昨年オープンしたお店で落ち着きのある外観が印象的だが、入り口を通るとお客さんを迎える元気な声とポップなBGMが聞こえてくる。

荒木鮮魚店外観


こだわりは「鮮度」「安さ」

 荒木鮮魚店のこだわりはその扱う海産物の「鮮度」と「安さ」だという。毎朝水揚げされた鮮度抜群の海産物がショーケースに並ぶ。その日によって並ぶ品々や値段も変化するが、荒木鮮魚店さんはその「安さ」にも自信を持っている。荒木さんは鮮魚店のほかに鮮魚の卸し業も営まれているからだ。

 毎朝店へ運ばれる新鮮な魚は店内でお刺身に加工される。加工時に余った部分はお惣菜として販売されるため、廃棄を無くすという海の幸への感謝の思いも伺える。 

店内ショーケース

お惣菜、お酒類コーナー


震災当時の状況

 震災当時は大船渡市で卸し業、居酒屋を経営していたが、会社も自宅も震災による津波の被害を受けた。海産物を扱う仕事のため受けたダメージは大きかったが、地域の人々からの要望もあり、再開を目指した。卸し業の工場、居酒屋の順で再開し、ついにご主人の夢でもあった鮮魚店を陸前高田市の中心市街地に開店した。


お客様への思いやり

 荒木鮮魚店さんは「ユニバーサルデザインのお店」として認定されている。店内外で段差もなく、車いす利用者の方でも移動しやすい設計になっていることも理由の一つだ。

 店内のショーケースにはたくさんの鮮魚が並んでいるが、その魚が水揚げされたときに撮影した写真も一緒に展示されている。品ぞろえは毎日変わるため手間ではあるが「お客さんがイメージしやすいように」と毎朝その日撮影された写真を展示しているそうだ。

 

ユニバーサルデザイン認定書

鮮魚と写真たち


荒木さんの新たな野望

「卸し業」「居酒屋」「鮮魚店」を営んでいる荒木さんだが、ご主人が抱くもう一つの夢について語ってくれた。それは「食堂」をオープンさせることだ。荒木鮮魚店に隣接させる形で計画を進めており、店舗自体はすでに完成間近だという。新型コロナウイルスによる影響と人手不足ということもありオープンは未定だが、ご主人の夢の実現に向けた思いと行動力は果てしない。また、荒木さんは次代の若者へのメッセージとして「失敗を恐れないことが大切」という心構えを教えてくれた。自分のやりたいことを追い求める荒木さんの言葉だからこその重みがそこにはあった。


「来ないとわからないこの魅力」

 荒木さんは陸前高田市中心街に出店したばかりの頃の苦労について語ってくれた。駅も近いため人の往来を見込んで出店に踏み切ったが、出店当時はお客さんがなかなか来てくれなかったという。常連のお客さんからは、お店の配色からか「格式高いお店」という印象を受けたという意見があったそうだ。しかし現在では口コミで荒木鮮魚店の評判を聞いた方が来てくれることも多いという。

 新型コロナウイルスの影響で客足は遠のいてしまったが、たくさんの「来てみないとわからない魅力」を読者の方に味わって頂くため、ぜひ荒木鮮魚店さんを訪れてみてほしい。

荒木さんお気に入りのイラスト(作:荒木さんの娘さん)


インタビュー先

店名  :荒木鮮魚店

所在地 :〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町館の沖 71KC12-5-3

定休日 :日曜日

営業時間:10:00~18:00

電話番号:0192-22-8896

取材相手の氏名:店主 荒木 英幸 さん

        店主 妻

インタビュー実施日:2020年9月23日(水)


インタビュアー自己紹介

岩手大学 4年 澤口 翔

 震災後初めて訪れた陸前高田市だったが、資料館や町のすがたを生で見ることにより、テレビの向こう側ではない被災地のリアルを知ることができた。今回伺った4つのお店の方々への取材からは、過去ではなく未来を見据えたいろいろな思いが感じられた。

 まちなかガイドをきっかけに改めて陸前高田市を含む被災地へ関心が向けられてほしい。


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