ヤマニ醤油高田営業所

陸前高田の方たちと作り上げる醤油が自慢

こだわりの醤油とともに微笑む鈴木さん


震災前と同じ味を追求して

 ヤマニ醤油高田営業所では、醤油の味を常に試行錯誤しており、甘さや醤油の色などお客さんの良い意味でのクレームに応じて製造方法を調整しているという。

 地域ごとに異なる味が楽しめるのもヤマニ醤油の特徴の一つだ。陸前高田の醤油販売を行う高田営業所では、甘めの醤油が多く販売されている。陸前高田ではやや甘めの味付けが「家庭の味」のようだ。


大切にしている昔ながらの「御用聞き」

 ヤマニ醤油高田営業所では、昔ながらの「御用聞き」を大切にしている。家、一軒一軒に訪問販売を行っているのだ。最近では珍しいこの販売スタイルがヤマニ醤油の特徴だ。一日30軒から40軒回り、繁忙期は100軒回ることもあるそう。多忙を極める重労働であるが、それでもお客様の笑顔と感謝の気持ちに支えられているという。

この車でお客様のもとへ


一つ一つ丁寧に思いを込めて作られたヤマニの醤油

 ヤマニの醤油は、淡口・甘口・上級と醤油だけでも三種類あり、さらにほんつゆに白だし、そしてかわいいイラストが目を引くしょうゆ天使と豊富な品揃え。しょうゆ天使のイラストは、復興支援のために「アンパンマン」で知られるやなせたかしさんが無償でデザインを提供してくださったものだ。

様々な料理と合わせられる豊富な品揃え


「しょうゆ天使」味わいました!

 私は今回、しょうゆ天使を味わった。まず、ふたを開けるとすぐに懐かしい醤油の香りを感じることが出来る。

「しょうゆ天使」は濃い口で醤油の味がしっかりしているように感じた。個人的には刺身と合わせたら絶品だろうと思う。

可愛いしょうゆ天使が目印


震災で多くのものを失って

「震災で得られたものもありますが、失ったものやなくしたものがあまりにも多すぎる。」と鈴木さんは言う。

 震災当時、鈴木さんは宮城県気仙沼市にいた。津波に流されながら、ただひたすら命が助かることだけを考えていたという。

 その後、鈴木さんは地元陸前高田で起業することを決意。何もないゼロからのスタートだった。

当時の状況を語る鈴木さん


陸前高田のお客様とともに

「昔ながらの『御用聞き』が今もなお出来るのは陸前高田の方たちの人柄や気前の良さがあってこそ。地元である陸前高田で商売をすることにこだわりを持っている。」と鈴木さん。

 ヤマニ醤油高田営業所では、店舗での販売やオンラインでの販売も行っているとのこと。価格は700円から1750円。

 皆さんも、一つ一つ丁寧にお客様とともに作られた優しい家庭の味であるヤマニの醤油をぜひ一度味わってみてはどうだろうか。


インタビュー先

店名:ヤマニ醤油高田営業所

所在地:〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町字大町2-2 KC27-1

定休日:日曜日・祝日・お盆・年始

営業時間:8時30分~18時

電話番号:0192-47-4347

FAX:0192-47-4348

取材相手の氏名:鈴木 泰治 さん

インタビュー実施日:2020年9月24日(木)


インタビューアーの自己紹介

岩手大学 1年 塚本千鈴

 授業で学習してからずっと行きたいと思っていた陸前高田に、今回やっと足を運ぶことが出来て本当に嬉しかった。陸前高田の豊かな自然とその土地に住む人々の温かさ、まだ癒えない震災の傷跡、そこからの復興への懸命な努力。多くのことを感じ取った時間だった。

 このブログを読んで一人でも多くの方が陸前高田という町に興味を持ち、訪れてくれたらと思う。一度行ったなら必ずまた訪れたくなる、それが陸前高田の魅力だ。

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