Café Mieux カフェ ミュー

それぞれが「自由な時間を」過ごせる場所

カウンターの近江さんご夫妻


ディスプレイと黄色の文字が目印 

四季に合わせて変わるディスプレイはとても印象的(取材当日はハロウィーン風の内装)


 カフェの外観に並べられた、四季折々のテーマに合ったディスプレイはとても美しく、見ていて飽きない。そんなシックな外装に目立つ黄色で書かれた文字がこのカフェの目印である。入店すると左側が近江さんの営むカフェ、右側はそのお母さんである村上さんのパワーストーン店がある。 

 カフェの名前の由来はドイツ語の「お母さんたち」という意味のムッターや、フランス語の「一番良い」という意味のレ・ミューからきている。震災後、パワーストーン店がミューと店名を改めたため、それに合わせてカフェも「一番いいカフェ」という思いを込め、今の名に決まったのだという。


内装やキッズルーム、さらには…

キッズルームもしっかり完備


 まず店内に入るとひときわ目を引くのが派手な内装だ。外国をイメージした風合いの壁紙やインテリアがとても印象的だ。所々に設えられた雑貨などはなんとすべて近江さん夫妻が収集したものである。また、キッズルームには特に力が入っており、「子供を安全な環境で見守りたいが飽きさせたくもない…」という家族連れの要望にも応えられるようにできていて人気だ。さらには村上さんの収集したたくさんの本も、店舗をつなぐ本棚にきれいに並べられており、誰でも読むことができるようになっている。


料理にかけるこだわり

自慢の“おとなさまランチ”

 そんな近江さんは料理にかけるこだわりも半端なものではない。ご夫婦で経営されているが「料理の代金は千円以上にはしない」と決めているのだそう。アメリカの家庭の気取らない雰囲気を味わえる料理がここにはある。おすすめは“おとなさまランチ”で、特にその中のハンバーグは自慢だという。また、食器にもこだわりがあり、食べる人の年齢によって少し変えているのだとか。非常に細やかなところまで気配りがなされている。


 その旨さに感動“しらすチーズピザ”

 ちなみに、私達が取材で訪れた際には“しらすチーズピザ”も特別に提供して頂いた。当初4種類だったピザは、お客様からのリクエストに応えてメニューを増やし、今では9種類にまで増えたそう。また、昼と夜でメニューが切り替わるため、その品数の多さも魅力の一つだろう。

 

夜のメニュー


癒やしを求める人のために出店を決意

 もともとは歯科技工所と雑貨屋をメインで営業していたが、震災後はそれをやめ、母である村上さんのパワーストーン趣味が高じて、半年後には竹駒にて仮設店舗を開くこととなった。地元の人々だけでなく県外から訪れる人々が特に増えたそうだ。特に震災復興で仕事に来た人やスピリチュアルな面に関心のある人が買いに来てくれたのだと近江さんは語る。

 その後「癒しを求めて訪れる人々が落ち着いて休んだりするためのスペースも必要だ」と考え、カフェを新設して中心市街地に出店することを決めたのだという。口コミなどで集客効果は上がり、中心部の立地も相まってお客さんも増えていった。その反面、市の取り決めによって好きな配色で外観を決められなかったり、駐車場の設営ルールが変わって混乱したりと困ったこともあったという。そんな紆余曲折がありながらも、こうしてここまで活動してきた近江さんの表情にはどこか達成感が見える気がした。 

カウンターで作業する近江さん


「街の人に自由に使ってもらいたい」

「長く居ても少しだけでもどちらでもいいし、窓席でもテラスでもカウンターでも。その人の落ち着ける空間で自由に過ごしてほしい」と近江さんは語る。さらには相談次第で各種イベントにも対応可能だ。皆さんも日常の喧騒から離れ、ゆったりとした時間が流れるこのカフェに、自分だけの素敵なひとときを過ごしに訪れてみてはいかがだろうか。


インタビュー先

店名:Café Mieux(カフェ ミュー)

所在地:〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町森の前475(KB35-6)

定休日:水・木曜日

営業時間:月・火・金・土 9:00~15:00 17:00~20:00  日:11:00~19:00※

(※臨時休業の場合があるため、最新情報はFacebookで要確認)

電話番号:0192-55-6888

取材相手の氏名:近江 仁美 さん

インタビュー実施日:2020年9月22日(火)


インタビュアーの自己紹介

 岩手県立大学 1年 N.K

 今回陸前高田を訪問し、実際に街の雰囲気に直接触れることで復興と発展の道筋を知った。また生の声を聴くことで当時の状況や現状と課題を把握することもできた。被災しながらも立ち直った人々の持つエピソードには重みがあった。インタビュー先からは、「一回地元から出てつながりや情報を掴んでから地域に戻り、それを活かして地域活性化につなげていく」ことの大切さを改めて実感させられた。とても貴重な経験であった。


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